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Channel: ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ(31DEC14まで/新ブログshiaoyama.comに移転済み)
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ご縁

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▼この下のエントリーで、IDC(インディペンデント・クラブ/ぼくと一緒にさまざまな現場に行ったりして共に考える会員制のクラブ)の会員向けの言葉も、すこしだけ記しました。
 このブログでは、滅多にないことです。

 すると、ちょっと誤解も呼んだようです。
「IDC会員の追加募集があるのですか。独研(独立総合研究所)のHPでは、現在は募集してないとあるのに…」という趣旨の書き込みなどもありました。
 いや、会員の追加募集ではないのです。
 追加募集は、1年に1回ぐらいしか行っていません。
 現在は、独研HPにあるとおり、しばらくは行わない見通しです。

 この下のエントリーで触れたのは、現在の会員のために11月3日に京都で行う催しのことです。
 IDCのイベントの中でも、かなりユニークな催しです。
 会員の追加募集がある時に考えたい、という方のためにも、すこし内容を書いておきます。


▼始まりは、ぼくの記者時代にまでさかのぼるのです。
 共同通信の京都支局の若い記者だったとき、事件記者のかたわら「祇園文化担当」をデスクに命じられました。
 各社ともベテラン記者が配置される担当なのですが、ぼくだけとても若かったのです。
 祇園文化の担当というと、ふつう祇園の中心である「祇園組合」を中心に取材するのですが、ぼくは少数派の「祇園東組合」といったところも訪ねて歩きました。

 すると、当時の組合トップの富森さんという女将が、「この頃は舞妓のなりてがのうて(無くて)困ってるんどす」とおっしゃるので、「全国から公募してはどうですか」と提案し、富森さんがそれを実行なさり、ぼくは記事にしました。
 共同通信の記事は、北海道から沖縄まで、そして海外にも配信されますから、全国から「舞妓さんになりたい」という少女が詰めかけました。
 やがてこれは、主流の「祇園組合」も含めて、どこも実行するようになり、それが実は現在の祇園を支え、伝統の京文化が絶えずに続いている一助になっています。

 先進的な女将だった富森さんは、亡くなったのですが、舞台美術家だったお嬢さんが後を継がれ、ぼくや青山千春博士が親しくお付き合いしています。
 その今の富森さんを通じて、「祇園をどり」という催しをみんなでぼくと一緒に見学し、舞妓さんや芸妓さんとご飯を食べ、ぼくの解説なども聞きながら語り合い、さらには、たとえば佐久間象山の住んだ祇園近くの古民家を見学したりという催しです。
 ぼくは、これも日本文化を護る、ささやかな一環だと考えています。
 長いご縁が支えてくれるイベントでもあります。

 例年、抽選になってしまうのですが、ことし11月3日の会は、まだ空きがあります。
 申し込みは、10月20日までですから、IDC会員はどうぞ、関心のある方なら急いでくださいね…という趣旨です。
 IDC会員には、募集のEメールが届いています。それを、もう一度ご覧になってください。
 Eメールが見つからない会員は、独研に問い合わせてくださいね。
 

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