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えぐられるからこそ



 先ほど、安倍総理の悲痛な発表で、7人の日本国民のいのちがアルジェリアで奪われたことが、対策本部の席上、明らかにされました。
 7人の戦士に、こころの底から哀悼を捧げ、まだ安否不明のかたがたの生存と無事を、深く祈ります。

 あぁ、抉られるようだ。胸も脳も、えぐられる。



 今回の事件で、交渉はありません。
 先週の木曜日、事件発生から間がない1月17日に、ニッポン放送の報道番組「ザ・ボイス」の生放送で、アナウンサーの飯田さんから問われて、ぼくは即座にそう答えました。
「ザ・ボイス」の直前番組のキャスターは「これだけ人質が多国籍だから、青山さんの言う強行突入が仮にあるとしても、それはどこが主導権を持ってやるのか」とも問われていましたが、それは主権国家のアルジェリアしかあり得ません。それも、17日の放送で申しました。
 番組のあと、独研(独立総合研究所)が配信している「東京コンフィデンシャル・レポート」(TCR)の速報でも、そのように記しました。
 したがって、人質の危機がどれほど深いかは、危機管理を本職のひとつとしている者として、胸に突き刺さるようにありました。

 しかし、砂漠の非業の死を、現実に総理の口から聞けば、無念、無残の悲しみと怒りが湧きあがってきます。
 北アフリカの衝撃波は、9.11後の世界の新段階として、これからも続きます。
 わたしたちは、新政権と共に、それに備えねばなりません。

 日本のマスメディアの、アルジェリア事件の報道ぶりには、根本的な間違いがあります。
 それは、敗戦後の日本の思い込みのまま、「抑止」ということの本質を知らないまま、この新しい現実を、通り一遍の批判だけで報じようとしていることです。
 意識や意見の違いがあっても、連帯すべきを連帯して、悲劇の再現を防ぎたい、それにわずかでも寄与したいと、リスクと戦うべき独研の責任者として、そう考えます。




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